岐阜・愛知レトロアーケード探索記(3) 奥飛騨・平湯〜高山

1日目、最後の目的地。
愛知・犬山の日本ゲーム博物館から車で3時間以上走って向かった先は…
岐阜県奥飛騨平湯温泉です。


何故ここを選んだのか。理由は単純明快です。


 温泉街のホテルや旅館にはゲームコーナーがある
  →山奥の温泉街なら、レトロなゲーム機が今も残ってるんじゃね?
    →東海地方で山奥の温泉街といえば奥飛騨でしょう。ならレッツゴー☆


…自分で書いておきながら、目眩がするほど無計画ですね。
ともあれ一度走り出した以上、もう後戻りはできません。
中部縦貫道をひたすらに飛ばして、国道158号線から奥飛騨に入ります。




そして奥飛騨の山道を走り始めたあたりで、本格的に後悔。
甘く見てた! 俺は峠攻めを甘く見過ぎてた!!
曲がりくねった未知の山道を走ること自体、緊張が伴うというのに
4月とはいえ、奥飛騨には雪が余裕で残っているのです(さすがに道に積もってはいないが)。
ノーマルタイヤで大丈夫なのか、これ…!?


恐る恐る峠を走り続け、平湯温泉に着いたのは19時過ぎ。
来た以上は目的に一直線。
ゲームコーナーがあるという「穂高荘 山がの湯」へ向かいます。


建物内には昭和レトロを推した展示物などもあり、実にいい雰囲気です。
ここで日帰り温泉を楽しみつつ、ゲームコーナーもチェックしようという寸法。



…が、残念ながらゲームコーナー、休止中でした。
開放されてはいるのですが、ゲーム機の電源は入っていません…。
従業員さんに聞いてみると「壊れているものが多いので休止中なんです」とのこと。残念。
置いている機種は「ハングオン」のシットダウンタイプに「アウトラン」のスタンダードタイプ、
任天堂VSシステムに何故か「はちゃめちゃファイター」が入ったものなど
実に味のあるマシンばかりだったのですが…。



そんな中で、他で見かけたことがないため
1枚だけ撮ったのが上のマシン。円形のテーブル筺体です。
どうやらニチブツ製のようで、パネルには「ナイトギャル」のロゴが入っています。
スタイリッシュなこの筺体で、脱衣麻雀を遊ぶ…。凄まじく背徳的で、たまらなかったに違いありません。



しかしそれも、マシンが非稼働では味わえない感動。
もう遅いし、心残りだけど今日の探索は切り上げるか…と動きだした時、悲劇は起きました。


ここには仮眠ルームが設置されており、日帰りの入泉料+1000円ちょっとで
ひと晩過ごせるという、リーズナブルすぎるサービスがあるのですが
ゲームコーナーを確認し、温泉を楽しんでいるうちに、その受付時間が過ぎてしまっていたのです。




やっちまった! 完璧にやっちまったよコレ!!
時間はすでに21時過ぎ。今から他のホテルや旅館に駆け込むのも、現実的に難しい。
となれば…3択――ひとつだけ選びなさい。


答え1:ハンサムの俺は突如今からでも泊まれるアイデアがひらめく
答え2:仲間がきて助けてくれる
答え3:かわせない。現実は非情(車中泊)である


とりあえず今回は一人旅なので、答え2は自動的に却下。
答え3は死にかねない(温泉地まで来て車中泊したら精神的に)ので
「やはり答えは…………1しかねえようだ!」


…そんなこんなで、平湯で泊まることを諦めて
闇夜&雪の残る山道に本気におびえながら高山まで戻り、
途中で某丼モノの店に入ったら何故か客全員(しかもワイルド系な)が知り合いらしく貸し切り状態で
完全アウェイ状態なこんな状況で味なんか分かるか―! と心の中で叫びつつも
やっと高山のビジネスホテルに駆け込んだら、もはや日も替わる寸前でした。
いい歳をして何をやってますか俺は。









気を取り直して、2日目。
予定外に高山からのスタートとなりましたが、せっかく来た以上、周囲を探索しない手は無い…
というわけで、ゲームコーナーがあるらしい土産販売施設の「飛騨物産館」へ朝イチでGO。


置かれていたのは、ナムコの「たこいかぱにっく」。
タコとイカ、指定された側だけを叩くという、変わり種のもぐら叩きです。
ただ、もぐら叩きには“出てきたものを叩けばOK”という単純明快なルールが定着しているためか
あまり受け入れられたとは言えない作品ですね…。
ポップな筺体デザインは、個人的に好きなのですが。



もう1つ。目を引いたのがこの汎用ビデオゲーム筺体。
「AMBO series」という名の、MVSに似た2in1です。
コンパネ側面に“COSMO”と入っていたので、これがメーカー名だと思われますが…。
調べてみてもメーカーはおろか、この筺体の画像すらもヒットしない、謎だらけのマシンです。
これの正体を知っている方は、是非情報をお願いします。
ちなみに入っていたゲームは「スペースインベーダーDX」と「メタルスラッグX」でした。



タイミング良く、この日はお祭りに重なっていたようで
子供たちが華やかな衣装で踊る姿も、見ることができました。
寄り道もなかなか悪くないものですね…。



そうだ、寄り道といえば。
今日は愛知県に戻り、名古屋周辺を探索しようと思っていたけれど
せっかくだから岐阜県内で、少し足を延ばしてみよう。


かつて“レトロゲームの聖地”と呼ばれた、あの場所まで。



続きます。