岐阜・愛知レトロアーケード探索記(4) 恵那峡ワンダーランド

高山から中部縦貫道を抜け、東海北陸道東海環状道と乗り継ぎ、
中央自動車道からは、とにかく東へ。
目指すは峡谷と温泉の地・恵那に広がる巨大遊園地
恵那峡ワンダーランド」です。



2000年に一度は閉鎖されながらも、不死鳥のごとく復活し、現在に至るこの場所は
「養老ランド」同様に、古き良き時代の遊園地の姿を今も残しています。


もちろん、遊園地の定番であるゲームコーナーも健在です。
それも90年代で時が止まったかのような、独特の空気をそのままに。
ここには屋外と屋内、2か所のゲームコーナーがあるのですが
特に大型レトロゲームが残されている、屋内を中心にチェックしていきます。



右側に見えるのが屋内ゲームコーナー。
それにしてもパンダの乗り物が、いい感じにノスタルジーを掻き立ててくれます…。
さっそく中のマシンを見てみるとしましょう。











ナムコの大型ゲーム機を語る上では外せない「スターブレード」。
これが現存しているだけでも、ここまで来る価値があるというものです。
荒いポリゴンだからこその、ソリッドでクールな描写。
音声通信や効果音以外はほとんど耳に届かない、ストイックかつ重厚な音響。
その筺体の中には当時、確かに宇宙が存在していました。
この未来を切り取ったかのようなゲームに、衝撃を受けたプレイヤーは決して少なくありません。




未来、といえばこのタイトルも忘れられませんね。
同じくナムコの「サイバースレッド」です。
2本のレバーで戦車を操作し、対戦相手を撃破するゲームシステムは
FPSなんてジャンルがなかったリリース時の1993年には、斬新以外の何物でもありませんでした。
2作とも、歴史的意義は非常に深い作品ですが
現役稼働しているマシンとなると、今やそうそう見られません。




恵那峡ワンダーランド」のゲームコーナーは、ナムコ系が妙に充実しています。
こちらは「ファイナルラップR」。
シリーズ最終作にして、スプライトで描画を行ったレースゲームとしても最末期の作品です。
ドット絵の、1つの到達点を味わえるタイトルといえるでしょう。




「ファイナルハロン」。
レースゲーム…なのは変わりないですが、そのテーマは競馬。
馬型マシンにプレイヤーが実際に乗り、揺らすことで走らせることができる
(いい意味で)バカすぎる見た目で、多人数プレイが確実に盛り上がるタイトルです。




ナムコではないですが、音ゲーもあります。
ダンスダンスレボリューション 4thMIX PLUS」(ソロバージョン)。
6パネル方式のソロバージョンは、久しぶりに見ました…。
ダブル譜面ができる人には楽勝なのかもしれませんが、個人的には出た時、ずいぶん戸惑った覚えが。











メダルゲームも見ていきます。
ファンタジーランド」。
ルールとしてはルーレットに近いものですが、中央にある観覧車など
その名の通りファンタジーで統一されたデザインが、心躍らせてくれますね。




こまやの「ティックタック」。
上の3個の玉が揃えばメダルをゲットという、分かりやすいルールです。
それにしても魔法使いのイラスト、味があり過ぎですね…。これは萌える(え?)



「コロコロクエスト」。
そんなに古いものではないのですが、実はこのマシン、タクミコーポレーション製です。
そう、「ギガウイング」や「マーズマトリックス」で知られた、あのメーカーですよ!
こんな小遣い稼ぎもやっていたんだなぁ…。









ビデオゲームも、ほんの少しですが置いてありました。
ジャレコのポニーマークIV筺体に入っているのは、
スーパーリアル麻雀PVI」「子育てクイズマイエンジェル」「ゲーム天国」。
幅広い客層に対応する、いいチョイスだと言えましょう。




その横には非稼働ですが、タイトーの50インチビデオゲーム筺体
「テアトロ50」も鎮座していました。
果たして当時、どんなゲームがこの大画面に映し出されていたのでしょうか…。




90年代の空気を色濃く残す、とは先に書いたとおりですが
これでも何台かのマシンは、撤去されてしまったようです。
10年近く前には「シスコヒート」(ジャレコ)や「ギャラクティックストーム」(タイトー)、
「レーシングヒーロー」(セガ)など、稼働当時から珍しかった大型筺体が
平然と並んでいたのだとか…。



そういえば、探索から戻ってからの話ですが、
Twitter恵那峡ワンダーランドのゲームコーナーについて書いていたところ
スタッフさんから反応を頂きました。ありがとうございます。


日にちは未定ですが、ゲームコーナーに新しくゲーム機が増えるとのことです。
これからも来る人を楽しませる場所として、末永く続けていく、
そんな気概を感じさせる、温かなメッセージでした。


マニアの勝手な願いを伝えさせてもらうなら、
是非、現状のマシンも大切に残されたまま、さらなる発展を遂げてほしいと思います。
現在残されたゲームに魅力を感じ、
それを求めて足を運ぶ人が、数は少なくとも確かにいるのですから…。














さて、恵那峡ワンダーランドを満喫し終えた頃。
探索に出ていることを知った知人より、連絡が来ました。


「県内の、ある旅館に存在したゲームコーナーの現状を調べてほしい。
 数年前にゲームコーナーは閉鎖されたものの、
 80年代で時が止まったかのような、凄いラインナップだったそうなので……」


さっそくネットで調べてみると、営業していた頃のゲームコーナーを訪れた記録が。
確かに、これらがもし今も残っているなら一大事レベルです。
たとえ無駄足の可能性があろうとも
行って確かめない理由などあるでしょうか。いや、無いッ!


今回は愛知の天野ゲーム博物館を最後の目的地とするつもりでしたが、予定変更です。
恵那峡から車を走らせ、向かうは岐阜県内の温泉街。
そこで待つのは、残された奇跡か、それとも厳しい現実か…。



続きます。