火の国にて、一期一会
熊本県にある「ゲームコーナーBAMBOO」さんが、
残念なことに2018年1月で閉店するそうです。
実は以前に一度だけ行ったことがあるのですが、
個人的な事情により、探訪記を書く機会を逃していました…。
アーケードゲームへの愛情がにじみ出る、素晴らしいお店だっただけに
今更ではありますが、訪れた時の様子を綴ってみたいと思います。
最初で最後の探訪は、2016年の秋。
未曽有の震災が熊本を襲ってから、約半年後のことでした。
「…あれ?本当にここで合ってるのか?」
住所を頼りに到着したその場所にあったのは、どう見てもレンタルコミック店でした。
ゲーム、ましてやレトロなアーケード筐体になんて縁がなさそうな雰囲気ですが、
せっかく熊本まで来た以上、引き返す選択肢など有り得ません。
意を決して店内に入ると…あるのはコミックが並んだ棚と…あと奥にはスロットコーナーと…
「ダライアス」のキングフォッスルが!?
間違いない、ここが「ゲームコーナーBAMBOO」への入口ですね。
早速、中へと踊り込みます。
横に長いスペースに配置されていたのは、数台のビデオゲームや大型筐体たち。
やはり気になるのは、大型筐体ですね。
ナムコの「メタルホーク」。
現在、常設でプレイ可能な場所は他に高田馬場のミカドくらいしかない、超希少機です。
自分が初めて遊んだのは、地元のナムコランドでしたね…。
レバー操作に合わせて激しく動く筐体は、ゲームというより遊園地のアトラクションのようで、
当時はクリアどころか操作すらおぼつかない有様だったものの
まさしく「動かしているだけで楽しい」と思える、印象的なゲームでした。
今、改めて遊ぶと、システムII基板の回転拡大縮小機能をフルに活かし
かつ筐体での派手なムービングによって、唯一無二のゲーム体験を生み出している
当時のナムコの優れたゲームデザインに、唸らされるばかりです。
これが1988年にリリースされたとか…未来を行き過ぎていたとしか思えない…。
未来を感じさせた体感ゲームといえば、こちらも必ず挙がってくるであろう
「スペースハリアー」もローリングタイプ筐体で設置あり。
指宿いわさきホテルと合わせて、九州では2台のスぺハリが2010年代でも現役稼働していた…
なんて話、数年後には信じられなくなっていそうです。
なお、来訪時には見られませんでしたが
かつては「ソルバルウ」や「スターブレード」「プロップサイクル」なども設置されていたとか。
「ソルバルウ」の筐体は見てみたかった…!
稼働開始当時ですらかなり発見率が低く、一度しか遊んだことがないだけに悔やまれます。
BAMBOOさんの大きな特徴といえば、シューティングゲームへの熱い思い入れも忘れてはなりません。
初代「ダライアス」筐体と、最新作の「ダライアスバーストACEX」の並びは
誰もが思いついても、実際にやるロケーションなどまず見られなかっただけに、夢の光景と言えるでしょう。
さらに壁のグッズ展示コーナーには「グラディウス」関連アイテムがズラリと。
基板にカセットテープ、ボードゲームまで…!よくこれだけ集められたものだと感心し、見入ってしまいます。
飾りモノといえば、店内の至るところで見られるアイロンビーズも壮観ですね。
歴代シューティングゲームの自機、ファミコンゲームの主役たち、
さらにはジャレコのマイナー格闘アクション「64番街」の主役2人組や
「クレオパトラフォーチュン」のパトラ子まで!どれもが持ち帰りたくなるくらい神秘な仕上がりです。
ゲームを遊ぶことは、もちろん楽しい。
それと同じように、ゲームが愛されている姿を見ることは、とても楽しく、嬉しいものです。
貴重なマシンと、店内に置かれた数々のディスプレイからは、
ここに集う人たちがどれだけゲームを愛し、大切に思ってきたのかを、まざまざと感じさせてくれました。
願わくば、この素敵な場所がいつの日か、また帰ってくることを。
…その時には「ソルバルウ」筐体と再会できたらいいなぁ、
なんて個人的な願望も孕みつつ。