聖地巡礼!鹿児島・指宿いわさきホテル探訪(1)

その事柄に興味を持ったなら、一度は絶対に行ってみたいと願う場所。
人はそれを“聖地”と呼びます。


レトロアーケードゲーム機を探す、なんて端っこすぎる趣味にも
実は“聖地”と呼べる場所がいくつかありまして。
そのうちの1つが、鹿児島は指宿にある「指宿いわさきホテル」のゲームコーナーなのです。


施設内に温泉からレストラン、果てはテニスコートにプールにショッピングセンターまで全部入り!
…なんて超巨大ホテルは昭和の時代、観光地に多く作られたものですが
指宿いわさきホテル」はその系譜を正当に受け継ぐ一大リゾート。
もちろんその中にはゲームコーナーもあるのですが、これが時代に流されないロケーションだからこそできる
80〜90年代の体感ゲームがズラリと並んだ楽園…らしいのです。


そんな話を聞いたら「いつかは行ってみたい」と思うのも当然。
関西住みの自分にとって、鹿児島は飛行機でしか行けない遠い距離ではありますが
気合を入れれば1泊2日の弾丸ツアーでも行けるはず!
…ええ、もう本気でゲームコーナーだけしか楽しむ気のない行程ですとも。





しかし思いついたら、無謀だろうと本気で実行しなけりゃ意味はありません。
…というわけで九州は、鹿児島空港上陸です!
目指す指宿いわさきホテルは、空港から直行便で2時間程度。
ちなみに夜になると、ホテルから空港へ戻るバスはほぼありません。泊まれないと大変な目に遭うので予約は必須です。






さて、肝心のゲームコーナーの入口は、こんな感じ。
初っ端から「ドリームキャッチャー」や、
黒ひげ危機一髪風のゲーム(正式名称は「とびだせ海賊カン一髪」)が出迎えるあたり
いやがうえにも期待は膨らむというものです!




プライズやメダルのコーナーを抜け、階段を降りると…。
ボウリング場の横に広がるのは、
当時の郊外型アミューズメントパークでもかくや、というレベルの大型筺体の楽園でした。













その中でも、まずはコレに注目しないわけにはいきません。
アフターバーナー」のダブルクレイドル筺体。
もはや現役で稼働しているマシンは、日本国内でもこれだけとされる1台です。
ダブルクレイドル筺体の特徴だった派手なムービングは
機能が止められたのか残念ながら体感できませんが、それでもマシンが残っているだけで奇跡的。



稼働当初からなかなか見る機会のなかった、前面からのショット。
ここにもイラストが描かれてたんですね…。20年以上経って、初めて知りました。


せっかくだから3DSの「3Dアフターバーナー」と一緒に撮影してみたり。
かつて憧れだったゲームが手軽に携帯機でもプレイできるのだから、いい時代になったものですよね。









隣に鎮座しているのは、こちらもセガ体感ゲームを語る上では外せない「スペースハリアー」。
それもムービング筺体で、しっかりと稼働します!
モニタはブラウン管から液晶に換装されているようですが、プレイする分にはまったく問題なし。
まさしく、当時そのままの感覚で遊べるのが嬉しいです。



こちらも「3Dスペースハリアー」とともに1枚。
しかし、久しぶりに筺体でプレイすると「こんなに動くマシンだったっけ?」と思わせてくれますね…。
たとえプレイが下手でも、この派手な挙動が楽しめたならコインを入れた価値がある、
そう思わせるだけの有無を言わせぬ迫力が、この時代の体感ゲームにはあったと改めて思います。








アフターバーナー」「スペースハリアー」とくれば、
やはり続くのは、満を持して3DSでも復刻された「アウトラン」でしょう。
もちろん、いわさきホテルのゲームコーナーにも現役で鎮座しています。
それもデラックス筺体で、「スペースハリアー」同様に稼働は完璧な状態です!



驚かされたのが、その配置。
続編「アウトランナーズ」が真後ろにあり、まるで対をなすように置かれてるのです。
ここの関係者が「アウトラン」シリーズに強い思い入れを持っていることが、この配置だけでも分かります。
2台を一緒に撮ってみましたが、もうこれ、神々しさすら感じる光景ですよね…。







レトロ体感ゲームは、これだけではありません。
新旧入り乱れ、ズラッと並んでプレイヤーを待ち構えています。
手前から「ファイナルラップ3」「リッジレーサー2」「サイドバイサイド2」「バーチャレーシング」と
通常ならこれだけでも十分に驚かされるラインナップなのですが…





さらに奥手にはセガの「モナコGP」! それもコクピットタイプです。
リリースは1979年。実に35年も前のマシンであり、これまた動いてること自体が奇跡の一品ですね。
プレイする分にはまったく問題は見られず、
特徴的だったデジタルのハイスコア表示機能も、しっかり生きているのが嬉しいです。


20年ぶりくらいにプレイしましたが、カンストには届かず…。
よく行っていたデパートの屋上ゲームコーナーに、10年以上は設置されていたのですが
詳しい知識もなかったその頃は「何この「ロードファイター」みたいなゲーム?」とずっと思っておりました。
今から考えるとセガに失礼すぎる話ですね。









その「モナコGP」の隣にあるのは、タイトーの名作「チェイスH.Q.」。
非常に珍しい、デラックスタイプです。
元々は「フルスロットル」というゲームのため作られた筺体らしいのですが
この丸みをおびたマシンフォルム、ちょっと体感ゲーム離れしていてインパクトが強いですね。
鳥山明の漫画に出てきそうな感じです。


残念ながらモニターか基板に不良があるようで、自車が少々バグってたりしますが、まぁプレイは何とか可能です。
本作を象徴する音声合成「ナンシーより緊急連絡!」なんかもしっかり聴けたので
個人的には十分満足でした。








ちょっと時代が現在に近づいた、90年代のマシンもいくつか置かれています。
そのうちの1つが、ナムコの「ラッキー&ワイルド」。
残念ながら、この時は故障中でしたが…。
1P側はハンドル操作+射撃、2P側は射撃のみ担当するという、独特すぎるデバイスが特徴でした。
ちょうど上の「チェイスH.Q」の続編「SCI」に近いコンセプトですが、
こちらは銃で障害物や敵車も破壊することに重点が置かれた、どちらかと言えばガンシューティング寄りの作品です。






もはや博物館の様相すら呈している、80年代中心の体感ゲーム機たち。
これだけでも必見モノのロケーションといえますが、驚くべきことにまだまだ見るべきマシンはあります。
というわけで、以下次回です。

90年代後半の滋賀のゲーセン風景

先日、たまたま90年代後半の、滋賀県の地域ガイドを見つけまして。
その中に、少々ですがゲーセンが掲載されてました。


載っていたのは4店。
今見ると、もはや存在しない店やら
触った記憶はあるけど正体が分からない筺体などが載っていて
なかなか興味深かったので、ここで紹介してみたいと思います。



まずは1店目。草津にあった「遊ingポイント セオラ」です。
滋賀で唯一だったゲーメストのハイスコア掲載店で、県内の凄腕ゲーマーが集まる店でした。
確か閉店したのは2000年代前半でしたか。
あの後、セオラ勢が多く移動したと言われる「アミューズメントジャングル南草津」も「ガオラ」も、無くなってしまったなぁ…。


記事では対象読者層に合わせてか、プリクラやUFOキャッチャーが前面に出てますが
“月に2回のゲーム大会”がしっかり押さえられてます。
対戦格闘ゲームの大会とか、実際多かったようですね。



個人的には、あそこで対戦型シューティングの「チェンジエアブレード」を初めて遊んだ覚えがあります。

ボス側として攻撃もできる、斬新すぎるシステムがなんともインパクト大でした。
今でも一部で盛り上がっているそうですが、果たして当時、セオラで対戦会は行われたんでしょうか…?
もはや、知るすべはありません。







2店目。「ゲームランド水口店」です。
現在はすでに無く、跡地はマクドナルドになっているようです。
これだけビデオゲームがズラッと並んでる光景、今ではなかなか見ないですよね…。


文章内に“TV番組「タイムボンバー」使用の大型ゲーム機”とありますが、
これは当時放映されていた、芸能人がアトラクションに挑戦するバラエティ番組「超次元タイムボンバー」で
ナムコ体感ゲームのアレンジ版が使われていた関係でしょう。
おそらく「プロップサイクル」あたりが店内に設置されていたものと思われます。







3店目は「タカラ島 今津店」。
滋賀県民なら誰もが知ってるスーパーマーケット・平和堂の今津店に入っていました。
去年、たまたまその平和堂今津店に行ったのですが、すでにタカラ島は無く、
ゲームコーナーは存在するものの、特に目ぼしいものもない子供向けスペースになっていました…。


それよりは、すぐ側にあった「しまむら」のゲームコーナーが
「SCI」やら、訳の分からないタイガー戦車型ライドマシンがあったりと
何を考えてるのか不明なラインナップで、戦慄したものです。


タイガー型戦車、そんなに虎をアピールせんでも…。
しまむら」のゲームコーナーは、たまにこういう不意打ちがあるので
レトロなゲーム筺体やエレメカを探すうえで、外せない存在になりつつあります(俺の中で)。







さて最後。東近江市にある「AS24」です。
ここは他の3店と違い、今でも現役のお店ですね。
以前は名前通り24時間営業で、カラオケやレンタルビデオなどの施設もあったのですが
最近リニューアルして、ゲーセン一本になりました。
ゲーセン閉店ラッシュが続くこのご時世、生き残っているだけでも凄いと思えます。頑張れAS24。


奥に置かれているビデオゲーム機は、見慣れないタイプですね…。
コイン投入部分がへこんで垂直になっているという、ずいぶん変わったフォルムのものです。
色的にジャレコの「ポニー」か、アイレムの「マドンナ」シリーズかとも思ったのですが、どちらも違う様子。
誰か、筺体名が分かる方がおられたら教えてください。

霊峰に遺るゲームを求め、生駒山上遊園地へ(1)

大阪府奈良県の県境にある、生駒山
その山頂には80年以上の歴史を誇る「生駒山上遊園地」があります。
一時は「スカイランドいこま」とも呼ばれていましたが、
ともあれ関西在住の人間であれば、行ったことはなくとも名前は必ず知っている、
というくらいにメジャーな遊園地の1つですね。



そう、「行ったことはなくても」と書いてしまいましたが、
なかなか実際、ここに遊びに行ったって人の話を聞かないんですよ。
ましてやゲームコーナーの稼働タイトル情報なんて、ネット上でもほぼ皆無です。



…ならば、というわけで2013年の夏、レトロアーケードゲーム探索へ行ってきました。
何故この時期に、そんな半年以上前のことを書くのかというと
実はここ、冬季は営業を休止しているんですね。
3月15日から営業を再開したので、それに合わせてのアップというわけです。
よって情報としては古めなのですが、探し物のある方は参考程度に読んでいただければと。





生駒山上遊園地へ行く方法は、限られています。
山のふもとにある駅から、ケーブルカーに乗るのが一番ベターでしょう。
ちなみにその途中、山の中腹にはさすが霊峰と思わせる趣の旅館が立ち並んでいるのですが
調べてみると、どうも未成年者お断りの訳あり地域だそうで…。
もしかしたら、ここの旅館内にもゲームコーナーがあり、レトロな一品が眠ってるのかもですが
さすがに調べるだけの勇気はありません…。









いきなり話が脱線してしまいましたが、いざ園内に入ってみることにしましょう。
なんとここには、ゲームコーナーが6つも存在するようです!
まずは入口近くにある「ゲームファンタジア」に突入。
プライズゲームを中心に、ほんの少し大型筺体もあり、という構成のゲームコーナーです。
もちろん見るべきは大型筺体。早速チェックです。





ナムコの「モトクロス・ゴー!」。
その名の通り、オフロードのモトクロスを題材としたゲーム。
これはSD筺体ですが、モニターが50インチのDX筺体は凄まじい勢いで振動が味わえたそうで。
97年リリースとはいえ、ナムコのバイクゲーの中ではマイナーな部類で
本作より古い「スズカ8アワーズ」や「サイバーサイクルズ」よりも見かけない印象です。




これも今では結構珍しい「東京バス案内」。
もとはドリームキャストで発売されたゲームですが、
それをアーケードに大型筺体仕様で逆移植したという、変わった経歴を持つ作品です。
都内のバスをモチーフにした、筺体のデザインやカラーリングはなかなかのインパクトですね。
…しかし、わざわざ生駒の山上で東京のバス路線を楽しみたいなんて人、いるのか?





ちなみに「ゲームファンタジア」の外側には、子供向けのライド型マシンも数多くあります。
中にはこのように、ザクだかガンタンクだかもう訳の分からないものも。
何気にカオスですよね、こういったライド型マシンって。










続いてゴーカート場近くにある「キャラクタープレイランド」に向かうも…
残念ながらここは新しめのエレメカやプライズ、パチスロなどが中心。
あまり見るべきところはないので、サクッと次へ行きます。









少し歩いた先にあったのが「スポーツコーナー」。
その名の通り、パンチングマシンやエアホッケーなど、体を使って楽しむゲームが中心に置かれてます。



そんなわけですから、ナムコの「アルペンレーサー」があるのは当然といえば当然。
どうせなら「アルペンサーファー」も並べてほしかったところですね。



他にもナムコ系だと、一応はスポーツの範疇といえるF1を題材とした「ファイナルラップR」も。
片方のモニターが死んでいるようなので、対戦は不可能なのが惜しいです。



スポーツから外れますが、驚きなのは「エアーコンバット」の純正筺体が残っていること。
あの「エースコンバット」シリーズの礎となった作品ですが、アーケードではさほど注目を浴びていなかったため
発見率が非常に低いマシンだったりします。
続編の「エアーコンバット22」に至っては、もはや日本国内に残っているのかどうか…。


ここのマシンは故障していてプレイは望めませんが、
プレイ可能な「エアーコンバット」筺体は埼玉のラウンドワンスタジアム上尾、
滋賀のKID'S US LAND米原店などに存在するようです。




もう1つ、ここにあったレアなマシンが、コナミの汎用筺体「サウロイド」。
37インチの大型モニターで、最大4人プレイまで可能だった筺体です。
これ、ほとんどコナミ直営のロケーションでしか見なかったような気が。
ここではガンシューティング…おそらく銃の色から見るに「リーサルエンフォーサーズ」シリーズに
使用されていたようですが、画面は表示されずプレイ不可能でした。






ちなみにここは園内のゲームコーナーでは唯一、ビデオゲームが設置されている場所でもあります。
やっぱりスポーツが題材のゲームが並んでるのかな? と見てみると…


「野球格闘リーグマン」。
…まぁ強引ではありますが、野球モチーフの作品だし場所には沿ってるかな。


しかしその隣は「ぽいっと」。
もう早くもスポーツ関係ねぇぇぇ!
せめて同じメトロのパズルゲームなら、釣りがモチーフの「ぱづり」とかあるだろうとか思いましたが
どっちにしろ超マイナーなので、大して変わらないような気もしました。



そんな感じでビデオゲームのチョイスは割と適当な様子。
この時は電源が入っていなかったので、プレイができるかどうかは不明です。






なかなかにレアな筺体を拝めた「スポーツコーナー」を後にして、次のポイントへ。
残るゲームコーナーはあと3つです。
というわけで、以下次回。

霊峰に遺るゲームを求め、生駒山上遊園地へ(2)

奈良県生駒山上遊園地の探索、続きです。
ここまで6つあるゲームコーナーのうち、3つを回ってきました。

生駒山上遊園地は、山の上という場所柄
関西の各テレビ局の電波塔が、遊園地内にあるのも特徴的です。
そんな電波塔に近い位置にも、ゲームコーナーがありまして…




それが「ゲームコーナー ラスベガス」。
それにしても生駒山上遊園地のゲームコーナーは、
外装がどれもド派手かつレトロテイストで、味わい深いですね。
では中に入ってみるとしましょう。


ここの中心は、子供向けのライド型マシンやエレメカ
低年齢層に向けてのゲームコーナーといった趣ではありますが、もちろん見どころはあります。





その1つがナムコエレメカ「クールガンマン」。
敷き詰められたパネルを光線銃で撃つとパネルが跳ね、上に乗った缶が勢いよく飛んでいくという
見ていてなかなか驚かされるギミックが仕込まれています。
「技脳体」や「テクノドライブ」「クイック&クラッシュ」などなど
人目を惹くエレメカを続々と開発していた、90年代後期のナムコらしい一品ですね。



こちらは…タイトル不明ですが、アイレム製と思われるエレメカ
どうやら2000年にリリースされたようです。
ということは旧アイレム(アピエス)ではなく、アイレムソフトウェアエンジニアリング製?
エレメカはこういう「まさかあのメーカーも作っていたとは…」な出会いがあったりするから、侮れません。



ガンシューティングも、数は少ないですが設置されていました。
コナミの「イノセントスイーパー サイレントスコープ2」なんかは、最近あまり見かけなくなったマシンの1つですね。
一応家庭用移植もされてますが、やっぱりスコープでターゲットを覗き込みたいものです。









「ゲームコーナー ラスベガス」から少し歩くと、
見えてきたのはプライズとカーニバルゲーム、そしてエレメカが並べられた「ヤングタウン」。
普通に「UFOキャッチャーDXII」が置かれていることにも驚きですが
ここで見るべきは、やはりエレメカでしょう。


トーゴの「対抗もぐら」に、ナムコの「ワニワニパニック」と「サメサメパニック」。
中でも「サメサメパニック」は、ナムコの「パニック」シリーズ内では発見率の低いタイトルだったりします。


まぁ中身は本当に、叩く対象がワニからサメに変わったとしか言えない
ワニワニパニック」コンパチではあるのですが…
それでも並べて見てみると、後発だけあって筺体の派手さが増していることは分かるかと。










さて、生駒山上遊園地のゲームコーナー6か所巡り、
最後は「ヤングタウン」のすぐ隣にある「エキサイティングゲームコーナー」です。


中は射的やエレメカが中心の、これまたいかにも子供に向けた空間ですが
よく見ると左側にあるのは…?


ナムコの「アイスクリームやさん」ですね。
エレメカ好きなら外せないサントラCD「ナムコエレメカ大百科」に収録されていたので
名前だけは知ってましたが、実際に動いてるのを見たのは初めてです。
…さすがにこれに乗る勇気はありませんでしたが。



その他「電車でGO!2」や「レイブレーサー」「スズカ8アワーズ2」などの大型筺体、
変わったところではジャレコの「アームチャンプス2」なども稼働中です。




しかし、それより目を惹いたのが、片隅に追いやられた故障中のゲームたち。
アウトランナーズ」に、アイマックスの珍品「カルトネーム」が残っているというだけで驚きです。
さらにその横には…


なんと「ウイングウォー」の筺体が!
3Dフライトシューティングとしては非常に珍しく対戦プレイが可能で、
意外とコアなファンが存在するゲームだったりします。


現在は日本ゲーム博物館さんにプレイ可能なマシンがあるそうですが、
後に「バーチャロン」に換装されたロケーションが多いため、通常は筺体すらめったに見られません。
個人的には今回の探索、これを発見しただけでも満足でした。



他にもある意味見どころだったのが、子供が乗る鉄道施設に置かれたオブジェ。
「サイバーサイクルズ」のバイクがリサイクル活用されてます。
申し訳程度に付けられた機関車トーマスのお面が、異様なほどの哀愁を誘ってくれますね…。






故障しているマシンが多いのが残念ですが、
今となってはなかなか見られない筺体が、いくつも現存している生駒山上遊園地
特にエレメカ好きな人なら、足を運んでみるだけの価値はあるロケーションではないでしょうか。

消えた京都・河原町のゲーセンたちは今

京都・河原町にあるナムコの直営店
「ワンダータワー京都」が2014年2月で残念ながら閉店するそうです。


1996年にこの店舗が開店した頃、河原町周辺はゲーセンがひしめき合う繁華街でした。
ビデオゲームはほとんどが1プレイ50円、
店が多い分、見たこともないような新作だって巡り合いやすい。
凄腕のプレイヤーだって当たり前のように居る…。

個人的な話になりますが、滋賀の片田舎で過ごしていた自分にとって
河原町界隈は、頑張れば足を延ばせる範囲にある、ゲームの楽園とすら映ったものです。
実際、90年代後半〜2000年代前半は、結構な頻度で入り浸ってました。


しかし、時が流れた現在。
もはや河原町周辺に、往時のゲーセンはほとんど残っていません。
特にビデオゲーム中心の店舗は、今も対戦格闘ゲームの猛者たちが集う有名店「a-cho」を除き
絶滅してしまったといえます。



あの頃ゲーセンがあった場所は、どうなったのだろう。

そんなことを考え、京都へふらっと出かけたのが昨年の秋。
かつてゲーセンがあった場所の写真とともに、
当時の思い出をつらつらと書いてみたいと思います。








早速、まずは四条の河原町通り周辺から。
「ワンダータワー京都」です。開店当初は「ナムコの巨大ゲーセンができた!」と
かなり話題になったものでした。
何故か上の方の階にゲーマーズがあったり、
KBS京都のラジオ番組の公開生放送をしたら凄まじい人手で大変なことになったりと
ゲーセンらしからぬ特徴や出来事のあった場所でもありました。


そんな妙な幅広さや、プライズゲームの多さなどもあって忘れられがちでしたが
ここは意外にビデオゲームには理解の深い店舗でもありました。
2000年前後には、基板を持ち込んでのプレイが許されていた覚えがあります。



昨年秋の時点でも、ビデオゲームコーナーは
規模を1階の半フロア程度に縮小されていたにも関わらず
ワルキューレの伝説」など、通好みなタイトルが稼働していたくらいでした。
つくづく、惜しいですね…。
これだけこだわりの見られる店舗が、消えていくのは。






「ワンダータワー京都」のほぼ対面にあったのが「プレイランドキング」。
今やパチンコ屋…というか、キングは元々パチンコが本業でゲーセンは副業っぽいので
元に戻ったと言う方が正しいのかもしれませんが。
ちなみに「プレイランドキング」は現在でも七条と円町に店舗がありますが
かつては河原町を含め、京都市内にいくつも点在していました。
写真の場所にあった店舗は、音ゲーの入荷状況が良かった記憶があります。







河原町通りを三条方面に向かい、路地に入るとあるのが「京劇ボウル」。
今では普通のボウリング場ですが、かつては超巨大ゲーセンを併設していました。


申し訳程度に残された、ゲームコーナーの奥にあるシャッター。
この先には1階降りて広いフロアがあり、大量のゲーム機が設置されていたのです。
メダルゲームが多かったような気がしますが、
それを尻目に置かれたビデオゲームがまたマニアックなラインナップで
「どきどきアイドル スターシーカー」とか「クイズ ああっ女神さまっ」とか
スタッフの偏った趣味としか思えないようなタイトルが結構ありました。
…まぁ自分は、それを大喜びで遊んでたのですが。





その「京劇ボウル」の隣はタイトーの直営店があったりと、
この三条周辺は密かにゲーセン激戦区でした。
未だ、タイトー直営店の跡地にはテナントが入っていないようです。








少し戻って、三条と四条の間。
新京極通りもまた、ゲーセンが多く立ち並んでいた場所です。



特に目立ったのが、蛸薬師堂のすぐ近くにあるゲーセン。
飛行機をぶった切ったようなオブジェが特徴的な「京都オリンピア」です。


今やプリクラ専門のゲーセンとなっていますが、
かつてこの店は、京都のゲームメーカーだったビデオシステムの直営店でした。
…かといってビデオシステム作品が優先的に入荷されていた記憶もないんですけど。
なんかダイナックスこと中日本リースのクイズゲームを遊んでた覚えが。







その隣にある「スターダスト」は、今ではプライズゲーム専門店ですが
2000年代前半までは、ビデオゲーム中心の店でした。
ここもまた品揃えが異様にマニアックで
「NEO Mr.DO!」とか「さるカニハムぞう」とか入ったかと思いきや
ダンジョンズ&ドラゴンズ」の4人同時プレイ台が平然と稼働してたりと
商売っ気があるんだか無いんだか分からない店でしたね。







新京極通りを四条方面へ戻ると、右手に見えてくるのが「パピヨン」。
2000年代後半には、京都の音ゲーの聖地として知られた店舗です。
残念ながらここも、現在はプリクラ専門店になってしまいました。


ここは音ゲー、マイナーなところまできっちり入荷してくれてましたね…。
ジャレコの「VJ」は当時ここでしか見たことがなかったし、
自分的に心の1作である「ロックントレッド」シリーズと出会ったのも、この場所でした。
個人的には、京都に来たら「a-cho」と「スターダスト」、
そして「パピヨン」は必ず回る店でしたね。







さて、最後は新京極通りをずっと進み、四条通りの出口にほど近い場所の路地。
「美松劇場」という、歴史ある映画館があった場所です。
この周辺には劇場と同系列の経営と思われるゲーセンが、いくつかありました。

とはいえ現在残っているのは、プリクラ専門店の1店だけ。
この近くにあったゲーセンは、90年代前半に初めて京都へ来た時
あまりの品揃えに驚いた記憶があります。
戦国エース」に「アンダーカバーコップス」、「ファンタズム」。
さらに当時ですら貴重筺体とされた「ナイトストライカー」まで設置されていたのですから。


いずれも、滋賀ではそうそう見ることができなかったタイトル。
「すげぇ!すげぇよ京都!」と、
ゲーメストで知識だけはあれど実際のプレイはなかなか叶わなかった
片田舎のゲーマーに憧れを抱かせるには、十分すぎるほどのインパクトでした。
…未だに思うんですが、何故こんなタイトー直営店でもない場所に
ナイトストライカー」があったんだろう。








他にも河原町周辺には、数え切れないほどのゲーセンがありましたが
現在はほとんどが閉店してしまいました。
生き残っている店も、プライズやプリクラ専門店になってしまっています。

修学旅行生が多く訪れるという場所柄、それはそれで正しいのでしょうけど
この地に強く憧れ、多くのゲームと出会った自分には
移り変わりが寂しく思えるのです。

願わくば、ビデオゲームの、ゲーセンの灯が河原町周辺から消えませんように。

奥和歌浦・雑賀崎に眠るレトロゲームの深淵(2)

昭和の香りを色濃く残す観光地、和歌山県雑賀崎
そこには、突入難易度がおそろしく高いレトロゲームスポットがあります。
その名は「観光ホテル旅館 七津別館七洋園」。
理由は、外観を見てもらえば一発で分かるでしょう。


…たまたま従業員さんが見えたので、中に入っていいんだと分かりましたが
何の前情報も無かったら、確実にスル―しますねぇ、これは…。





まぁ一般的な宿泊施設としての印象は、前回の最後に張り付けた写真や
Yahoo!トラベルの口コミなんかを参照してもらうとして。


個人的には「そういうもんだ」と覚悟完了して泊まる分には、
旅の疲れを取るには難しいですが、貴重な体験ができる場所かと思います。
少なくとも、確実に話のネタにはなりますしね。
あ、従業員さんの接客と、窓から見える和歌浦湾の景色は掛け値なしに良かったです。これは本当に。



さて、肝心のレトロアーケードゲーム群ですが…
ゲームコーナー自体は無いものの、非常に充実しています。
それこそ館内のいたるところに、今ではまず見られない貴重なマシンがゴロゴロしているのですよ。
ただし電源は入っておらず、実際にプレイできるかはほとんどが不明です。










まずはフロント。いきなり3台のテーブルゲームが出迎えてくれます(写真では2台ですが)。
ユニバーサルの「コズミックエイリアン」が2台と、
メーカー不明の麻雀ゲーム「チャレンジガール」。
  ※後にみぐぞうさんから情報いただきました。「チャレンジガール」はパラダイス電子製の作品で、
   「ロイヤルマージャン」のサブ物の1つとのことです。ありがとうございます。


その後ろにあるのは、ユニバーサルのエレメカ「PUNCHでDATE」。
“あのこ ねらって ラブチャンス!”のキャッチコピーも眩しいこの作品、
1970年代のマシンだそうですが、おそらく同名のTV番組から許諾は取ってないでしょうね…。



さらにフロントには、柱に隠れるかのようにもう1台、ビデオゲーム筺体が。
どうやら中身は「ジッピーレース」だったようです。


以前はこの他に、タイトー製のガンシューティングも置かれていたようなのですが
残念ながらすでに撤去されていました。







続いて、2階の踊り場に向かってみましょう。
置かれているのは2台のテーブル筺体。
中身はメーカー不明の「ザ・ビリヤード」と、故障中の「ジッピーレース」です。
もう撤去されていますが、このスペースには他にピンボールまで設置されていたのだとか。







施設内のゲーム機を見回って、客室に到着。
実はここ、客室内にもゲーム機が設置されているのです。
旅館の窓際って、だいたいテーブルと椅子が設置された小さなスペースがありますよね?
ここではその位置に、テーブル筺体が設置されているというわけです。


この日案内された部屋にあったのは、「ペンゴ」のデッドコピーとして知られる「ペンタ」。
電源は入っていませんが、果たして遊べるのでしょうか?


…こいつ、動くぞ!
しかもインストは「ペンタ」だったのに、実際の中身は純正の「ペンゴ」です!
早速コインを投入してみると、何故か一気に5クレジットも入ったり、
レバーが下にまったく利かないため、まともに遊べなかったりと意味不明ぶりは加速してますが
ともあれ、部屋で「ポップコーン」が鳴り響く光景というのは、なかなかに感動モノです。
起きたら2秒でアーケードゲーム…。最高ですね。


ちなみに、コンパネ部分は何故かニチブツの「スタントカー」でした。
傷み具合も含め、何とも年季を感じさせる筺体です…。







驚くべきことに、ここではほとんどの客室にテーブル筺体が設置されており、
しかも中身は、それぞれ違っているようです。
確認できた限りの筺体を見ていきましょう。おそらくこれで全部です。



「ジャンピュータ」。
アーケード麻雀ゲームの元祖といわれる作品ですね。


中身不明の麻雀ゲーム。
やはり脱衣モノなのでしょうか…?



なんとこれで館内3台目の「コズミックエイリアン」。
ただしボタンが取れていたりと、遊ぶには厳しそうです。



「アイドル麻雀 ファイナルロマンス」。
ここでは最も新しいタイトルでした。
とはいえリリースは91年なので、館内ラインナップは20年以上変わっていない計算になります。



これは初めて見ました。「MONSTERS II」。
メーカー名も不明、ネットで調べるも情報なしの謎タイトルですが
インストの説明を見る限り「スペースインベーダー」のコピーゲームっぽいです。



謎と言えば、どんなゲームか分からないものも。
コンパネはブロック崩し同様のパドルコントローラ+ボタン1つであること、
筺体にはアイレムの前身“IPM”の名が入っていたこと、
あとは写真の、文字の一部がかすれたインストカードくらいしか、情報がありません…。
IPMの、インベーダー以前のゲームではないかと予測するのですが。
もし分かる方がいたら、是非教えて下さい。







ただ、「ペンタ」が実際は「ペンゴ」だったように
稼働させてみたら中身はインストと別モノ…ということは、十二分に考えられます。


残念ながらこの時は、中身まで確認することができなかったので
これは記事を読んで「行ってみたい」「調査をしてみよう」と思った方への
残された楽しみとでもしておきましょう。
…そんなチャレンジャーが、出てくるのかどうかは不明ですが。



さぁ、あなたの覚悟を見せてみないか?

奥和歌浦・雑賀崎に眠るレトロゲームの深淵(1)

和歌山県の中心、和歌山市の南西にある観光地・和歌浦
戦前から1960年代までは新婚旅行の定番スポットとして人気があり、
多くのホテルや旅館が存在していたそうです。



しかし現在は、その栄華は見る影もなく。
宿泊施設などは廃業が相次ぎ、しかも建物は取り壊されることなく放置されたため
2000年代前半には、屈指の廃墟スポットとして知られる羽目になりました。
北村荘グランドホテルにあり、映画「寅さん」シリーズにも登場した
名前の意味は分からんがとにかく凄そうな「宇宙回転温泉」なんかが有名な廃墟だったそうで。
ちなみに現在は、廃墟物件はほぼ撤去されてます。




そんな和歌浦の中で“奥和歌浦”とも呼ばれる地域が、雑賀崎(さいかざき)。
昔ながらの旅館が点在しているのですが、
これがまた、昭和から時が止まったかのような雰囲気なのですよ。
となれば当然、ゲームコーナーも昔から変わってないわけで。
というわけで、レトロなアーケードゲームを探すべく、今回は雑賀崎の宿泊施設へ向かいました。







まずはここの名所、番所庭園のすぐ側にある旅館「双子島荘」のゲームコーナーへ。
いい感じに80年代なマシンが現役稼働しております。
早速ですが、1つずつ見ていくとしましょう。





ナムコレースゲームの原初とも言える作品、「ポールポジション」。
乗り込むタイプのコックピット型がメジャーでしたが、
こういうタイプの筺体もあったんですねぇ…。
ちなみに中身はバージョンアップしていたのか「ポールポジションII」でした。




こちらはエレメカ。カトウ製作所の「おしゃべりオーム」ですね。
「オハヨ、オハヨ」「コンニチワ、コンニチワ」と、コインを入れなくてもずっと喋っており
デパート屋上のゲームコーナーなんかでは、この音声は定番の1つでした。
ゲームとしては、回転するランプを当たりで止めればOKという簡単なものですが
これが狙ってもズレやすく、思わず連コインしたくなるんですよね…。




さらにエレメカをもう1つ。トーゴの「くるくる絵あわせ」です。
回転する3点をボタンで止め、絵が完成すれば景品ゲット…なのですが、
外れても笑える組み合わせができるので、それで楽しめたりしたもんです。
しかし昔から思ってましたが、着物や野球のユニフォームはともかく
ガイコツを何故混ぜようと考えたのか…。



他にはこまやの「ジャンピングラリー」や、メダルゲームですが「アヒルのヨーイドン」などが稼働中。
パチスロやプライズ系もあり、機種は古いながらも
幅広い客層に対応したラインナップになっている点は好感が持てます。


自分が行った時期は夏だったため、大学サークルの旅行や部活の合宿客が多く
なかなか館内は賑わってる感じでした。
施設全体も綺麗だったので、雑賀崎で泊まるなら一番オススメの宿泊施設と言えますね。











続いては「双子島荘」の隣にある宿泊施設「潮風荘」。
ゲームコーナーは小規模ですが、置いてあるマシンはいかにも年季がかったものです。



目を惹いたのはこの、パチンコ2機種。
「ステークスレース」と「ICBM」という名で、両方ともユニバーサル製です。
1回ずつ指で弾く、このタイプのパチンコってもはや絶滅機種ですよね…。




プライズ系では「スーパースコープ」というマシンが置いてありました。
棒を動かし、景品を出口まで運ぶというルールのもので
割と最近まで、似た内容のプライズマシンをどこでも見かけましたね。
それにしても、ジュークボックスを思わせるようなフォルムが格好良いです。


その他にエアホッケーもあった辺り、いかにも旅館のゲームコーナーという感じでした。










さて、この近くには他にも2つ、宿泊施設がありまして。
しかしそのうちの1つだった「ホテル太公望」は、どうやら今年3月に破産申請を出したらしく
自分が言った夏の時期には、機材の運び出しなどが行われており、営業していませんでした。
どうやらナムコビデオゲーム第1作の「ジービー」や
任天堂の「パンチアウト」筺体がゲームコーナーに鎮座してたらしいのですが…残念。
せめて、何処かで保護されていることを祈ります。





こうなればもう1つの宿泊施設に、いやが上にも期待が高まります。
すぐ隣にあることだし、早速行ってみようじゃありませんか!
















……え!?





一体、ここは……。






…その時、自分は未だ知らなかったのです。






レトロアーケードゲーム探索、
そんな端っこすぎる趣味にさえ、覚悟が要るのだということを。



続きます。