奥和歌浦・雑賀崎に眠るレトロゲームの深淵(2)

昭和の香りを色濃く残す観光地、和歌山県雑賀崎
そこには、突入難易度がおそろしく高いレトロゲームスポットがあります。
その名は「観光ホテル旅館 七津別館七洋園」。
理由は、外観を見てもらえば一発で分かるでしょう。


…たまたま従業員さんが見えたので、中に入っていいんだと分かりましたが
何の前情報も無かったら、確実にスル―しますねぇ、これは…。





まぁ一般的な宿泊施設としての印象は、前回の最後に張り付けた写真や
Yahoo!トラベルの口コミなんかを参照してもらうとして。


個人的には「そういうもんだ」と覚悟完了して泊まる分には、
旅の疲れを取るには難しいですが、貴重な体験ができる場所かと思います。
少なくとも、確実に話のネタにはなりますしね。
あ、従業員さんの接客と、窓から見える和歌浦湾の景色は掛け値なしに良かったです。これは本当に。



さて、肝心のレトロアーケードゲーム群ですが…
ゲームコーナー自体は無いものの、非常に充実しています。
それこそ館内のいたるところに、今ではまず見られない貴重なマシンがゴロゴロしているのですよ。
ただし電源は入っておらず、実際にプレイできるかはほとんどが不明です。










まずはフロント。いきなり3台のテーブルゲームが出迎えてくれます(写真では2台ですが)。
ユニバーサルの「コズミックエイリアン」が2台と、
メーカー不明の麻雀ゲーム「チャレンジガール」。
  ※後にみぐぞうさんから情報いただきました。「チャレンジガール」はパラダイス電子製の作品で、
   「ロイヤルマージャン」のサブ物の1つとのことです。ありがとうございます。


その後ろにあるのは、ユニバーサルのエレメカ「PUNCHでDATE」。
“あのこ ねらって ラブチャンス!”のキャッチコピーも眩しいこの作品、
1970年代のマシンだそうですが、おそらく同名のTV番組から許諾は取ってないでしょうね…。



さらにフロントには、柱に隠れるかのようにもう1台、ビデオゲーム筺体が。
どうやら中身は「ジッピーレース」だったようです。


以前はこの他に、タイトー製のガンシューティングも置かれていたようなのですが
残念ながらすでに撤去されていました。







続いて、2階の踊り場に向かってみましょう。
置かれているのは2台のテーブル筺体。
中身はメーカー不明の「ザ・ビリヤード」と、故障中の「ジッピーレース」です。
もう撤去されていますが、このスペースには他にピンボールまで設置されていたのだとか。







施設内のゲーム機を見回って、客室に到着。
実はここ、客室内にもゲーム機が設置されているのです。
旅館の窓際って、だいたいテーブルと椅子が設置された小さなスペースがありますよね?
ここではその位置に、テーブル筺体が設置されているというわけです。


この日案内された部屋にあったのは、「ペンゴ」のデッドコピーとして知られる「ペンタ」。
電源は入っていませんが、果たして遊べるのでしょうか?


…こいつ、動くぞ!
しかもインストは「ペンタ」だったのに、実際の中身は純正の「ペンゴ」です!
早速コインを投入してみると、何故か一気に5クレジットも入ったり、
レバーが下にまったく利かないため、まともに遊べなかったりと意味不明ぶりは加速してますが
ともあれ、部屋で「ポップコーン」が鳴り響く光景というのは、なかなかに感動モノです。
起きたら2秒でアーケードゲーム…。最高ですね。


ちなみに、コンパネ部分は何故かニチブツの「スタントカー」でした。
傷み具合も含め、何とも年季を感じさせる筺体です…。







驚くべきことに、ここではほとんどの客室にテーブル筺体が設置されており、
しかも中身は、それぞれ違っているようです。
確認できた限りの筺体を見ていきましょう。おそらくこれで全部です。



「ジャンピュータ」。
アーケード麻雀ゲームの元祖といわれる作品ですね。


中身不明の麻雀ゲーム。
やはり脱衣モノなのでしょうか…?



なんとこれで館内3台目の「コズミックエイリアン」。
ただしボタンが取れていたりと、遊ぶには厳しそうです。



「アイドル麻雀 ファイナルロマンス」。
ここでは最も新しいタイトルでした。
とはいえリリースは91年なので、館内ラインナップは20年以上変わっていない計算になります。



これは初めて見ました。「MONSTERS II」。
メーカー名も不明、ネットで調べるも情報なしの謎タイトルですが
インストの説明を見る限り「スペースインベーダー」のコピーゲームっぽいです。



謎と言えば、どんなゲームか分からないものも。
コンパネはブロック崩し同様のパドルコントローラ+ボタン1つであること、
筺体にはアイレムの前身“IPM”の名が入っていたこと、
あとは写真の、文字の一部がかすれたインストカードくらいしか、情報がありません…。
IPMの、インベーダー以前のゲームではないかと予測するのですが。
もし分かる方がいたら、是非教えて下さい。







ただ、「ペンタ」が実際は「ペンゴ」だったように
稼働させてみたら中身はインストと別モノ…ということは、十二分に考えられます。


残念ながらこの時は、中身まで確認することができなかったので
これは記事を読んで「行ってみたい」「調査をしてみよう」と思った方への
残された楽しみとでもしておきましょう。
…そんなチャレンジャーが、出てくるのかどうかは不明ですが。



さぁ、あなたの覚悟を見せてみないか?