聖地巡礼!鹿児島・指宿いわさきホテル探訪(2)
“レトロアーケードゲームの聖地”と呼ばれる、
鹿児島・指宿いわさきホテルのゲームコーナー。
前回は80年代の体感ゲーム機中心に紹介してきましたが、今回はまずエレメカからチェックしていきます。
ひときわ目立つマシンといえば、やはりコレでしょう。
ナムコの『シュータウェイII』です。
クレー射撃をモチーフとしたゲームで、超巨大スクリーンを移動する光(円盤)を狙い撃つという、
単純ながらかなりの射撃精度を求められる作品でした。
あまり遊んでる人を見なかったとはいえ、遊園地の広大なゲームコーナーなんかでは定番マシンでしたねぇ…。
その初代は1977年リリース、今回出会った『II』ですら1991年製と、
実に20年以上の時を経たマシンであり、現存しているロケーションは、もはやほぼありません。
エレメカの定番、モグラ叩き系も並べられています。
左から『ワニワニパニック2』『たこいかぱにっく』とナムコ作品が続きますが、一番右は…?
タイトーの『ロックンバンバン』でした。
これ、モグラではなく光ったパネルを叩くという、ちょっと変化球気味なタイトルなのですが
派手で楽しそうなイラストの影響もあってか、個人的によくプレイしていたのです。
マイナー寄りなゲームなので、まさか再開できるとは思ってませんでした。
しかし今から見ると、リザルト(評価)に「ナウな人」なんて言葉があったりして、時代を感じさせますねぇ。
他にもエレメカでは『コズモギャングス』『X-DAY2』『キャプテンフラッグ』など
定番とも呼べるタイトルが並んでいます。
ちなみに『X-DAY2』は、久しぶりに遊んだら余命日数マイナス4101日でした…。
確かにまぁ、わざわざゲームコーナー求めて九州までやって来た人間は(主に社会的に)死んでると言っていい。
そんな肉体寿命が期限切れな足で次に向かったのは、ビデオゲームコーナー。
ここは特に、シューティングと脱衣麻雀が充実しています。
至って普通に『サンダーフォースAC』や『オメガファイター』が稼働している光景なんて
レトロゲームに強いゲーセンでも、そうそう見られないのではないでしょうか。
そしてホテルや旅館のゲームコーナーといえば、脱衣麻雀。もはや様式美ですね。
『スーパーリアル麻雀PV』に『スーチーパイ』、ダイナックス作品に加えて
有名人そっくりさんが脱ぐ麻雀の元祖『アイドル麻雀放送局』まで並べるとは!
場所柄か、MVS(ネオジオ)筺体も超初期のもの。
なんとメモリーカードスロット付きです!
当時、アーケードゲームで途中経過がセーブできるなんて、結構な驚きだったものですが
結局メモカを使う機会なんて、『クイズ迷探偵ネオ&ジオ』や麻雀系のようなコンティニュー必須のゲームか、
あとは『餓狼スペ』でリョウを使う裏技くらいにしかなく、後の筺体ではスロットがしれっと消滅していました。
地味ですが、何気に今となっては貴重なのです。
こちらは随分と最近のゲームになるのですが、珍しかったのでピックアップ。
ナムコの『ワールドキックス』の、汎用筺体版です。
このゲーム、今も残っている公式サイトを見てもらえば分かりますが
ボール型の入力装置を実際に蹴って遊ぶ、唯一無二のデバイスが特徴だったんですよ。
特殊とはいえ、それをコンパネで再現したものがあったとは…。
ナムコ純正なのか、それとも独自に作られたものなのか、興味深いところです。
ゲーム以外に目を向けてみても、なかなか今ではお目にかかれないものがありました。
それがタイトーの「レーザージューク」。
90年代には、ボウリング場やタイトー直営ゲーセンで必ずと言っていいほど見かけた
邦楽や洋楽のPVが流れる、ジュークボックスです。
嗚呼、友人たちと部活帰りにボウリングに興じてた学生時代を思い出す…。
その名の通りレーザーディスクを使用していたのですが、後期にはDVDを使ったものもあったそうで。
ゲーム機を再利用したと思われる、アイデアものの設置物もなかなか味があります。
ビデオゲーム筺体を靴の返却箱に、全身プリクラを喫煙所に…なんて改造は
日本広しと言えども、ここくらいでしか見られないでしょう。
噂に違わぬレトロアーケードゲームの宝庫だった、指宿いわさきホテル。
訪れたのが真冬の平日だったからか、ゲームコーナーには他に訪れる人もほとんど見られず、
そこにあるのは、懐かしいゲーム機の喧騒だけ。
まるで自分とゲーム機だけを残し、時が止まってしまったかのような、
不思議な感覚を味わえる空間でした。
この先、いつまでこの姿がとどめられているのかは、誰にも分かりませんが
今あるうちに、足を運ぶだけの価値は絶対あると断言できます。
聖地の呼び名は、伊達じゃありませんでした。