大阪南端の楽園・みさき公園へ(2)

みさき公園探索、続きです。
前回は園内で一番大きいと思われるゲームコーナー
「カーニバルコーナー」の1階をチェックしましたが、ここは3階建て。
2階には別のアトラクションが入っており、
また3階まで行くと、別のゲームコーナーが待っているのです。




そんなわけで階段を上り、3階へGO。
途中にかけられているピエロの表示板も、なかなかにレトロでいい雰囲気です。
この昭和な空気、狙ってもそうそう醸し出せるもんじゃありません。









到着した3階ゲームコーナーの全景は、こんな感じです。
広いスペースに体感ゲームビデオゲームエレメカエアホッケーなどが点在してます。
奥には卓球なんかもあって、家族で楽しめるゲームコーナーって感じですね。
では、気になるマシンを見ていくとしましょう。






まずはこれ。任天堂のVS筺体に入った「VSスーパーマリオブラザーズ」。
残念ながら片方でしかプレイできませんが、
以前は対戦プレイも普通にできたのだろう…と思わせる年季の入りっぷりです。
場所柄か、子供に向けて丁寧なゲームの遊び方が
手書きで張られているのも、なかなかに味がありますね。



その隣にあるのは、今や珍しくなった青いひさしのMVS筺体。
かつてはおもちゃ屋や酒屋、スーパーなどいたるところでこのマシンを見かけた…
なんて90年代の光景は、今の子供にきっと信じてもらえないでしょう。
残念ながらこの時は非稼働でした。



MVS=ネオジオ。その後継ハードといえばハイパーネオジオ64。
その第1弾だったレースゲーム「ラウンドトリップRV」が置いてあるのもポイントが高いですね。
無理にポリゴン格闘に走らず、この路線で色んなジャンルを攻めていたら
ハイパーネオジオ64には違った未来があっただろうなぁ…とか思わず考えてしまいます。




エレメカですが、ここで最もレアなゲーム機は、これではないでしょうか?
YUVOこと太平技研工業がリリースした「ザけんじゃね〜よ」。
ゲームとしてはパンチングマシンに近いのですが
パンチではなく、ビンタでパンチングボールを叩くこと、
モンタージュで叩く相手の顔を作れることが特徴です。
「ビンタでストレス解消!」がコンセプトのようで、狙いはなかなか面白いですよね。
ちなみに太平技研工業は、2009年に倒産しています…。




1階に比べるとゲーム機の数自体は少ないですが、ここもレトロな雰囲気は負けず劣らず。
ここに来たお客さんが「タイムスリップしたかと思った」と言うのを、たまたま聞いたりしましたが
さもありなん、といった感じです。
天然のレトロゲーム博物館が、確かに存在しているのですよね。









さてさて。
カーニバルコーナーは一通り見終わったので、次のゲームコーナーへ行ってみましょう。
少し歩くと、屋外に「キッズワールド」という場所が存在するようです。




これがキッズワールドの風景。
射的などのカーニバルゲームに、ライド型マシン、そしていくつかのゲーム機が置かれた
小さいながらも充実したスペースになっています。
モニタが傷みやすいためか、ビデオゲームに類するものは
初代「電車でGO!」「スズカ8アワーズ2」「レイブレーサー」くらい。
屋根のある部分に置かれたゲーム機は、ほとんどがエレメカです。




出ました。こまやが生んだエレメカの大名作「山のぼりゲーム」。
ボタンをタイミングよく押し、トラップを抜けて山の頂上を目指す。
単純だけど適度にテクニックが必要なシステムが受け、ロングヒットした機種ですね。
最近ではリメイク版も存在するのですが、これはもちろんオリジナル版です。





その横にあるのは、同じくこまやの「ケロケロパックン」。
曲がりくねったレールを、ボールが勢いよく走っていくのが気持ちいいんですよね、これ。
ボールをパチンコのように弾いて、カエルの口に入れれば得点ゲット…
なのですが、これがなかなか難しく、思わず熱くなります、




こちらはプライズ系。「カニさんのクレーン」です。
入っている景品は、キャンディや小さなマスコットなど、大したものじゃないんですが
その分取りやすくて、なんだかんだでゲットすると嬉しいもんです。
見た目のファンシーさだけでなく、仕様もゲームに不慣れな子供にまで優しい。
こういうエレメカは、やっぱり無いと寂しいですね。








意外に見所のあったキッズワールドを後にして、向かうは次のゲームコーナー。
観覧車に近い位置に、大きめのスポットがあるようです。
ここまで3か所でも、かなりレトロアーケードゲームが楽しめましたが
それ以上のサプライズは待っているのでしょうか…?


というわけで、もう少し続きます。
次回がみさき公園の最終回なので、お付き合いのほどを。

大阪南端の楽園・みさき公園へ(1)

さて、いきなりですが。
このご時世にジャレコのシューティングを巻頭特集するという
我が道を行きまくりのシューティングゲーム専門誌
シューティングゲームサイドVol.8」は、すでに読まれましたでしょうか?



一応、自分もゲームライターの端くれらしく
特集内でジャレコシューティングの1作
「ワイルドパイロット」の記事を書かせていただいているのですが、
この記事内の写真のために、わざわざ現役稼働してるマシンの写真を撮りに行ったりしています。


行った先は大阪・泉南にある遊園地「みさき公園」。
ここがまた、いい感じにレトロゲームが残された場所でして
「ワイルドパイロット」以外にも見所たっぷりでした。
なので記録を残してみようかと。





さて、みさき公園は遊園地だけでなく、動物園やプール、
果ては観光用の灯台にイルカショーまである、なかなかの巨大レジャースポットです。
そんな中にお約束通り、ゲームコーナーが点在しているわけですね。


というわけで早速、園内で一番大きいと思われる
3階建て(ただし2階はアトラクション)のゲームコーナー「カーニバルコーナー」へ。
入口からしてライド型マシンが取り囲んでおり、こいつは期待大です!
















そこに待ち受けていたのは、90年代の大型筺体やエレメカを中心とした
20年近く時が止まっているかのような、素晴らしい空間でした。
しかも、他で見かけないようなレアなマシンも混ざってます。





その1つが最初にも少し触れた、ジャレコの「ワイルドパイロット」。
まだポリゴンではなく、ドット絵ですべてが表現されていた時代ならではの
超絶な描き込みと、高い爽快感が味わえる作品でした。
おそらくですが、本作が現役稼働している場所は
日本ではもうここ以外に存在しないのでは…?
これだけで、行く価値十分ってものでしょう。





レアなマシンといえば、これも滅多に見かけない1台です。
タイトーの「ギャラクティックストーム」。
稼働当時から出回りは良くなかったものの、音楽の評価が飛び抜けて高かったため、
曲だけは知ってる…なんて人もいるのでは?
自分はこれが初プレイでしたが、やはり前評判の通り。
これぞSF!と思わせる、テンションの上がる曲群に魅了されました。
大型筺体でこの音楽を独り占めできるというのは、なかなかに贅沢な話です。







レースゲーム系が充実しているのも、ここの見所。
「ターボアウトラン」の専用筺体は久々に見ました…。
ちなみに同じフロア内には続編「アウトランナーズ」もあったり。



「ダートダッシュ」のDX筺体。
後ろのスプリングが印象的。しかも飾りではなく、プレイに合わせて稼働します。
SD筺体は今でもたまに見かけますが、こちらは珍しいですね。


セガ・ツーリングカーチャンピオンシップ」。
後に筺体が「ル・マン24」に改造されたロケが多いそうで、
1996年稼働にも関わらず、意外に見かけないタイトルだったりします。


その他に体感レースゲーム系で置かれていたのは
「スズカ8アワーズ」と「電車でGO!2 高速編 3000番台」。
バイク、電車、飛行機、車と、バランス良く配置している感がありますね。








これらのマシンだけでも半日は遊べそうな勢いですが、まだまだ終わりません。
例えばガンシューティングも充実しているのですよ。


まず目を惹いたのはこれ。ナムコの「スティールガンナー2」。
画面内のほぼすべてが破壊できる、豪快かつ爽快な演出で人気を得た作品ですが
恐ろしいのは90年初頭リリースという時代の関係上、
破壊前も破壊後も、すべてがドット絵で描かれているということ。
その手間のかけ具合たるや、今見ると壮絶とすら感じます。


…ああ、それと本作を見てPC-98の同人ゲー
「スティールガンにゃん」を思い出す人は、もう色々取り返しがつかないので自重して下さい。
元ネタと別ベクトルで、恐ろしい手間のかけ具合な作品でしたね…。

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こちらは同じくナムコの「ゴーリーゴースト」。
筺体内の立体物に、CGでオバケが現れるという、エレメカビデオゲームの中間的なゲームです。
この続編が、養老ランドに置いてあった「バブルトラブル」なんですね。


この他にも「リーサルエンフォーサーズII」と初代「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド」が稼働中です。
こちらもドット絵、半エレメカ、実写、ポリゴンと
狙ってかどうかは不明ですが、時代を感じる設置になっていますね。










そしてもう1つ。遊園地のゲームコーナーといえば
充実したエレメカも見逃せないところです。
さらりと、日本ゲーム博物館にも置いてあった「ミニドライブ」とかあるんですよ、ここ。




そんな状況なので「コズモギャングス」なんかが当たり前にあります。
迫ってくるコズモを銃で撃って撃退する、90年代ナムコの代表的エレメカの1つですね。
ちなみにコズモは光に反応して後退するので
カメラのフラッシュを焚くと瞬時に全滅させられる…なんて裏技があったり。



レトロゲーマー的にはこれも懐かしいです。
「忍者くん」のメダルゲーム
一時期はゲームキャラを、ルーレットゲームに当てはめたものがよく見られましたよね。
ワルキューレとか、魔界村とか。
カプコンのやつは特製のメダルが用意されていて、ものすごく欲しかったのを思い出します。



こちらも子供向けメダルゲームとしては外せない有名機種。
こまやの「かめさんうさぎさん」と「たしたし城」とかも現役です。








いやぁ…エレメカまで見事に隙のないラインナップですね。
しかし、これで満足するのはまだまだ早すぎるのです。
何せ、みさき公園には他にもいくつかゲームコーナーが存在するのですから。



というわけで、次回以降では他のゲームコーナーも回っていきます。
乞うご期待。